例会報告

第903回例会報告 2006.4.5

「中世讃岐「白粉石」の石造物と石切場を訪ねて」(2006年3月11・12日 一泊)は無事終了しました。参加者は40名でした。

石造品と石切場に限った見学でしたが、さぬき市教育委員会の山本一伸様と讃岐石造物研究会の六車恵一様のお力添えもあり、讃岐の文化的風土の奥深さを十分に感じ取ることができました。参加者からは石造品以外の史跡・美術を対象とした讃岐での会をもう一度計画してほしいとの要望が多数でました。是非実現したいと思います。

 

第902回例会報告 2006.3.15

  守屋長老の講和(本坊広間にて)

東大寺本坊と勧進所、戒壇院(2006年2月12日)

 毎年2月例会は、史迹美術同攷会の総会を兼ねて行います。本年は東大寺本坊の広間をお借りしての開催となりました。2月12日(第二日曜日)午前10時に本坊広間に集合しました。今回の参加者は68名でした。相変わらずの厳しい寒さで、ちらほら雪も降っていました。

 総会では矢ヶ崎が議長に指名され、尼ア会長からの挨拶と平成17年度の事業報告および、18年度の事業計画等が提案されまた。また、丸山副会長から会計報告がなされ、大鳥居名誉副会長の監査報告がなされました。いずれも参加者から承認されました。その他の議題として、中西名誉会長から、本会の会誌である『史迹と美術』誌に掲載する論文・報告等の内容について、これまでは古代から明治期までを対象としたものを掲載してきましたが、研究対象の拡大等を鑑み、昭和戦前期くらいまでを対象としたらどうか、との提案がありこれも承認されました。その後いくつかの事務連絡があって、総会は無事終了しました。

 総会に引き続いて、元東大寺官長の守屋弘斎長老から「東大寺の行事」と題してご講和をいただきました。もうすぐ行われる修二会、いわゆる「お水取り」の行事について、たいへんわかりやすくご説明いただきました。1時間30分間くらいの短い時間でしたが、講和の最中には紙衣(かみこ)といわれる紙製の法衣を直に触れることも許されるなど、たいへん貴重な講和でした。

 ご講和のあと、広間をお借りして昼食をとりました。

東大寺本坊経庫
 午後は先ず、東大寺本坊にある経庫の建物を見学しました。あまり知られていない建物ですが、奈良時代の校倉造の建物で国宝に指定されています。正倉院など、東大寺旧境内にある6棟の校倉造のうちのひとつです。大仏殿裏にあったものを移築したものですが、奈良時代、つまり東大寺創建の頃の様式を伝える貴重な遺構です。本日はこのあと勧進所でも校倉造の経庫を見学する予定があり、時代による校倉造の様式の違いを見極める良い機会になりました。
本坊を出て東大寺伽藍の中心部に移動し、中門前で参拝、記念写真を撮りました。そこから回廊、楽門を横目に勧進所に向かいました。

勧進所
 江戸時代の東大寺再建に尽力した公慶上人ゆかりの地です。境内にはロウバイが花を咲かせ、ほのかな香りを漂わせていました。東には大仏殿の威容が目を驚かせます。
境内にある梵鐘は鎌倉時代のもので、鎌倉時代に東大寺を再建した重源にかかわりの深い梵鐘だとされています。鐘の下端に6つの切込みをいれて六葉に見立てた、たいへん興味深いものです。

 公慶堂には公慶上人像が安置されていました。江戸時代のお像ですが、写実的な面貌に上人のお人柄がうかがえます。客仏として沓を履いためずらしい地蔵菩薩の立像が安置されています。室町時代の作ではないかといわれています。

 阿弥陀堂は釈迦如坐像や薬師如来坐像のほか五劫思惟阿弥陀坐像が見どころです。五劫思惟とは、阿弥陀がまだ法蔵菩薩といっていたころ、一切衆生を摂取しようと発願を立て、五劫すなわち11億6千万年もの間、独座思惟して48の大願を成就したといわれるもので、その尊像をあらわしたものです。厚く覆いかぶさる頭髪は五劫の間に髪がのびた姿を象徴するとされています。この種の像は東大寺の北にある五劫院にも安置されています。

 さて勧進所の経庫は最初に見た本坊経庫と同様、校倉造の建物です。これも正倉院の近くにあったものを江戸時代の貞享4年(1687)にここに移築したものです。本坊経庫より木割が細く、繊細が感じを受けます。床下や軒の構造も本坊のものと異なります。本坊経庫より少しおくれて、平安時代の中期以降に建設されたものと考えられており、こちらは重要文化財に指定されています。これまで校倉造といえば正倉院の宝庫くらいしか思い浮かびませんでしたが、今日は奈良時代と平安時代の校倉造を比較しながらじっくりと観察することができ、たいへん勉強になりました。

戒壇院
 唐僧・鑑真らの宿所として奈良時代に建てられた戒壇堂を始まりとします。東大寺の中心伽藍は奈良時代の創建のあと、鎌倉のはじめと江戸時代の2回にわたって再興されていますが、この戒壇院はさらに室町時代にも再興されており、3度の再興を経て現在に至っています。堂内には現在多宝塔が安置されており、有名な四天王立像が四方を守っています。自然な体勢と微妙な肉付き、真に迫るすばらしい容貌を示しています。

 戒壇院の見学を終えたのが4時過ぎ。ここで解散となりました。

 勧進所で屋根の修理を手がけられた小林副会長がお風邪で欠席され、瓦のお話をうかがうことができなかったのは残念でしたが、中西名誉会長や大鳥居名誉副会長に仏堂や歴史の解説をいただき、たいへん有意義な例会でした。建築については矢ヶ崎が解説しました。

(矢ヶ崎善太郎記)
 

  勧進所ではロウバイが咲いていました

第901回例会報告 2006.2.10

大阪枚方の史跡と文化財をたずねて
 
新春早々の1月8日(第二日曜日)午前10時10分、京阪本線「牧野」駅の改札前に集合後、片埜神社に向かいました。駅から片埜神社までは徒歩で10分ほどです。

片埜神社
境内は初詣の人が多く、また恵比寿祭の準備でにぎわっていました。待合室でしばらく順番を待つ間、尼崎会長より新年のご挨拶をいただきました。その後、一同拝殿に上がって正式参拝、今年一年の盛会と無事を祈りました。

拝殿前に立つ石燈籠(大阪府指定)について大鳥居名誉副会長からご説明いただき、じっくりと観察しました。また国の重要文化財に指定されている本殿については矢ヶ崎が説明しました。ほかに東門や南門も大阪府の指定文化財です。

見学後、東門のすぐ前にある阪会館のお座敷をお借りして昼食をとりました。お弁当が届けられ、お茶は会館からいただきました。

午後1時、阪会館前にマイクロバスが2台到着、一同それに分乗して出発しました。

渚の院址
御殿山駅の近くにあります。住宅の間の狭い道路をやっとの思いで通り抜けて到着しました。ここから後の見学では枚方市教育委員会の田中史生さんが自家用車で同行してくださり、ご説明をいただきました。渚の院は在原業平が「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」と詠んだところです。現在は鐘楼と石碑が建っています。

安養寺石製露盤
珍しい石造の露盤です。石塔の上に載っていたのでしょうか。石質は凝灰岩で二上山の石と推定されているそうです。四周の各面を二区に分けて格狭間を彫りだしていたように見えます。笠には草餅を搗いたと思われる穴がいくつも見られました。

その後交野天神社、継体天皇樟葉宮跡伝承地、西山廃寺跡の瓦窯跡などを見学しました。瓦窯跡の近くは昭和40年代の住宅地開発によって大きく変貌を遂げた地域です。近くには西山廃寺のものとされる礎石がありました。塔の心礎かもしれません。

久修園院
京阪電車の線路の脇にあるお寺です。付近は田んぼや畑が広がっています。東海道五十三次は大阪までのびていて、実は五十七次であったとする説があるそうです。大阪から京にいたる街道がちょうど京阪電車の線路の付近にあたると考えられています。幕末のころ、このあたりには淀川を警護する砲台もあったそうです。

さて久修園院は西大寺叡尊によって開かれた古いお寺です。本堂は江戸時代中期に再建されています。ご本尊の釈迦立像は大きな金鉢を持つ托鉢修行中のお姿です。別棟に安置されている愛染明王像は高さが6尺ほどもある大きな像で、日本最大級のものです。ほかに江戸時代の天球儀など珍しい寺宝を拝見することができました。また境内に建つ宝塔は鋳物製のたいへん珍しいものでした。

ここから京阪本線「橋本」駅までは歩いても10分ほどですが、せっかくなのでバスで送っていただき、午後4時45分、解散しました。

今回例会参加者は48名ほどでした。

夕方はさすがに冷え込んできましたが、まずまずの天気に恵まれ、たいへん有意義な今年最初の例会でした。午後からずっと先導しご説明いただいた田中史生さんに心より御礼申し上げます。

 (矢ヶ崎善太郎記)

 

第889回例会 2005.1.9

 京都東山の豊国神社前に集合、尼崎会長から新年の挨拶があり、その後豊国神社にて恒例の正式参拝を行い、境内の唐門(国宝)や宝物館、石灯籠などを見学しました。その後となりの方広寺の梵鐘、耳塚、馬塚、大仏殿跡緑地公園などを見学、いったん解散し各自昼食をとりました。

 午後の最初の見学地は豊国神社飛地境内にある豊国廟でした。山上の大五輪塔までは500段を超える石段がありましたが、老若男女、ほとんどの参加者が山上まで上りきり、さわやかな新春の京都の景色を満喫しました。最後の見学地は京都国立博物館前庭にある石造品類。予定通り午後4時半に解散し、有志はつづけて博物館の常設展を見学しました。

 午後5時半から料亭「道楽」で新年会があり、約30名の会員が親睦を深めました。
 

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